Okayama University Hospital, Department of Orthopaedic Surgery, Spine Group
岡山大学病院 整形外科 脊椎・脊髄グループ
疾患の説明 - 急性横断性脊髄炎(acute transverse myelitis)

 急性横断性脊髄炎は、急性または亜急性に横断性脊髄症状(対麻痺、四肢麻痺、体幹のあるレベル以下の対称性知覚障害、膀胱直腸障害)を呈し、その原因となる他疾患(髄外圧迫性病変、ギランンバレー症候群、結核、梅毒、動静脈奇形、外傷、腫瘍など)が明らかでないものをいいます。急性横断性脊髄炎の原因は不明ですが、上気道感染、下痢など先行感染が1−2週前にあることが多く、免疫が脊髄に対し病的に活性化するために起こると考えられています。

症状
急性横断性脊髄炎は突然の頭痛、頚部痛、背部痛などで始まり、障害レベルでの締め付け感などがあります。障害部位以下の対麻痺、四肢麻痺、対称性知覚障害、膀胱直腸障害が出現し、数時間から数日でピークに達します。障害の程度は、炎症を起こした脊髄のレベルと炎症の重症度によってさまざまです。
診断と治療
急性横断性脊髄炎を疑う場合はMRI、髄液検査などを行います。髄液検査では細胞数とタンパク質濃度の軽度の上昇がみられます。MRIでは急性期にT2で病変部に高信号を認めます。多くは単発で多髄節にわたります。横断像では脊髄中央部を中心にしたび慢性高信号、T1では低〜等信号で病変部の脊髄の腫大を認めます。造影効果は約半数で認められ、亜急性期に造影MRIで増強効果を認めることが多いとされています。慢性期になるとT2での高信号は縮小または消失します。急性横断性脊髄炎に関与していると考えられる免疫系を抑制するために、高用量のステロイドが投与されます(プレドニゾロン100mg/day程度から始め漸減)。またビタミンBグループなどの内服や血漿交換療法なども施行される場合があります。症状によってはリハビリテーションが必要になります。
発症年齢と予後
幼児から高齢者まで幅広く発症し、男女比はほぼ同等です。1/3で完全回復し、1/3でなんらかの麻痺や膀胱直腸障害が残存、1/3で重度の麻痺が残存するとされています。

67歳男性 MRI
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