主な悪性骨腫瘍の種類と解説
- ユーイング(Ewing)肉腫

 神経源性であるという説もありますが、組織学的な起源と病態は現在でもまだわかっていません。

発生年齢
 20歳未満が約8割と言われています。
発生部位
 骨盤、大腿骨、上腕骨、脛骨の順で、好発します。長管骨では骨幹部発生が多いことが特徴です。
症状
 疼痛と腫張が主な初発症状で、数ヵ月に及ぶこともあります。他の骨腫瘍と異なり、初期に全身の発熱や白血球数の上昇などが見られ炎症性疾患と間違われることもあります。
治療
 ユーイング肉腫は悪性度の高い腫瘍ですが、化学療法と放射線治療の効果が期待できる腫瘍です。悪性骨腫瘍の治療では、一般に病巣部の広範切除術を行いますが、ユーイング肉腫では、治療開始時に肺転移や骨転移をきたしていることも多く、手術適応は他の骨腫瘍と少し異なると考えています。単発で切除可能な部位で、切除後の障害も比較的軽度と予想される場合は手術を第一に考えます。骨盤発生や脊椎発生などで、切除術後の機能障害が大きい場合は、化学療法と放射線治療のみで手術を行わないこともあります。

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